ノミやマダニは、動物や人間の皮膚に寄生して血液を吸う吸血性節足動物です。散歩や外出時に寄生する以外にも、衣類や靴に付着することにより人間が外から連れてくる場合もあり、室内飼いの犬猫にも感染リスクがあります。ノミやマダニの寄生によってさまざまな感染症に罹患する可能性があり、中には人にも感染するケースも存在します。毎年、春先になるとノミやマダニの活動が活発になりますが、冬場でも活動は続いています。通年でノミマダニ予防を行うことで、様々な危険からペットや家族を守っていくことが大切です。

ノミ予防

ノミは草むらや砂利敷の中などのジメジメした場所に潜んでいます。近くを通りかかった犬猫の発する熱や二酸化炭素を感じ取り、50cm近く離れた場所からでも動物に向かってジャンプして寄生することができます。
ノミに刺されることにより強い痒みを感じ、下記のような病気をもたらします。

  • ノミアレルギー性皮膚炎
    ⇒ノミに吸血されることによって、唾液成分が体内に入りアレルギー反応を起こします。激しいかゆみや痛み、湿疹、脱毛などを伴う皮膚炎です。
  • 瓜実条虫(サナダムシ)
    ⇒ノミの幼虫がサナダムシの卵を食べ、成虫になったノミをグルーミングなどの際に口に入れてしまうことで発症します。無症状のことも多いですが、下痢や嘔吐などを引き起こすこともあります。

このほか、お家のペットにノミが寄生すると屋内で繁殖し、一緒に生活している人間に被害が及ぶ危険性もあります。

ダニ(マダニ)予防

マダニは主に草むらの中に潜んでおり、近くを通りかかった動物の発する二酸化炭素や熱を感知して寄生します。動物の血液を唯一の栄養源として生活しており、自分の体の100倍もの血液を吸います。これにより貧血の症状が起きることがあるほか、下記のような病気をもたらします。

  • 犬バベシア病
    ⇒バベシアという赤血球に寄生する寄生虫によって赤血球が壊され、貧血が起こる病気です。
  • 重症熱性血小板減少症症候群(SFTS)
    ⇒人にも感染するウイルス性疾患です。発熱、消化器症状、血小板減少などが認められます。猫や人では感染すると死亡する割合が高く、怖い病気です。

ノミマダニの予防方法

ノミマダニを予防するにはノミマダニ駆除剤の投薬が効果的です。駆除剤にはチュアブル錠、滴下薬があります。犬にはチュアブル錠、猫には滴下薬が良いでしょう。予防・駆除効果は薬にもよりますが、約1~3ヶ月です。